地方銀行とは。地方銀行の意味や歴史を紹介!

地方銀行について解説します。

 

地方銀行とは。地方銀行の意味

「地方銀行」とは、「一般社団法人全国地方銀行協会」の会員である銀行です。

地方銀行の特徴

「地方銀行」は、本店を構えた都道府県を中心に、各地域に集中した店舗展開を行っている普通銀行です。各都道府県において、最大規模の銀行であることがほとんどです。メガバンクや不動産デベロッパーなどとの繋がりがある場合もあり、地域経済にとって存在感の大きい金融機関です。

同じく地域に根付いた銀行である「第二地方銀行」と比べると、「地方銀行」の方が大規模で、「銀行」としての歴史が長いことが多いです。

地方銀行の略称

「地方銀行」は、略して「地銀」と呼ばれることがあります。読み方は「ちぎん」です。
「じぎん」ではありません。

地方銀行の別名

「地方銀行」は、「第一地方銀行」とも呼ばれます。これは、「第二地方銀行」に対しての呼び名であって、正式名称ではありません。

「リージョナルバンク」と呼ばれることもあります。アメリカの金融機関を指して使われている言葉ですが、「地方銀行」と「信用金庫」を合わせた意味をもっています。

地方銀行の例

「地方銀行」は、全部で64行あります。
規模が大きい地方銀行を例に挙げます。
福岡銀行、横浜銀行、千葉銀行、静岡銀行、西日本シティ銀行、常陽銀行

「地方銀行」にあたる銀行を知りたい時は……

全国地方銀行協会のHP 地方銀行リンク

地方銀行の歴史

明治時代に「国立銀行」として多くの銀行が誕生しました。国の機関という意味ではなく、国の法によって立てられた、という意味です。当時の銀行は、設立順に番号で名前がつけられました。

番号名から改称した銀行がほとんどですが、「地方銀行」の多くは、国立銀行を起源としています。中には現在も番号名を使い続けている銀行もあります。当時から名前を変えずに使っている「地方銀行」で最古の銀行は、第四銀行です。

このように、数字が含まれた名称をもつ銀行の多くは、歴史ある銀行です。「ナンバー銀行」と呼ばれることがあります。※合併した銀行同士の数値を合計した名称などの例外もあります。

1990年代のバブル景気の頃には、他地域に進出する銀行も多くありましたが、景気の悪化とともに撤退していきました。

地方銀行の近年の動き

人口減少や、マイナス金利が続く中、地方銀行も変化を求められています。
近年は、再び隣接地域への展開を行う銀行も出てきました。近隣銀行などとの経営統合の動きも多くなっています。「地方銀行」からフィナンシャルグループとして、金融持株株式会社へと発展した例も多くなっています。信託銀行との業務提携なども行われています。

また、地域産業の育成や、災害からの復興支援など、地域を盛り上げるための取り組みに積極的です。ITを取り入れた生産性向上や、高齢化が進む中での事業承継の支援など、地方が直面している課題に添った支援も行っています。

複数の地方銀行がある県

「地方銀行」は1都道府県に複数ある場合もあります。福岡県には、4行、静岡県には3行あります。このほか13府県に2行存在しています。

地方銀行のない都道府県

愛知県には第二地方銀行はありますが、「地方銀行」はありません。県内の銀行が合併し、東海銀行が誕生した後、合併によって三菱東京UFJ銀行になった、という背景があります。

都市にも地方銀行

大都市である、東京都や大阪府に本店を構える「地方銀行」もあります。東京都のきらぼし銀行、大阪府の関西みらい銀行、池田泉州銀行は「地方銀行」です。

「都市銀行とは」のページで解説していますが、都市に本店がある銀行が「都市銀行」というわけではありません。本店のある場所が「地方」か「都市」か、という話ではなく、一地域に集中した営業形態か、広域展開しているか、という点や歴史的背景が関係しています。

利用者目線での地方銀行

「地方銀行」を利用する魅力は、各地域での使い勝手のよさです。土地に密着した緻密な支店・ATMネットワークがあるため、都市銀行が展開していないエリアに住んでいる方も、快適に使うことができます。

弱点として、展開している都道府県を離れると、店舗がほぼなくなってしまう点があります。1つの地域で長く固定して暮らす方にとっては、問題ないのですが、全国を飛び回る方にとっては、使いづらいところがあります。

中小企業や個人事業主への融資、個人の住宅ローンなどにおいては、都市銀行と比べると「金利がやや高め」なものの「審査基準がやや緩め」という傾向があります。(※あくまで傾向であって、個々のケースによります。)

都市銀行よりも、数値に現れない信用性を細かく見て審査を行う銀行や、コンサルティング面に長けた銀行もあります。こうした面で、個人や中小企業にとっては、地方銀行を利用するメリットが大きい場合があります。

地域に寄り添う身近な存在、地方銀行の変化に注目

「地方銀行」は、地域とともに発展してきた存在です。細やかな相談に乗ってほしい局面では、身近に窓口があり、対面で接客を受けられる意義が大きいものです。また、機械操作が苦手な世代にとっても、実店舗は重要です。

一方で、デジタル化、キャッシュレス化は急速に進行しています。「地方銀行」は、強みを活かしつつも、これまでのビジネスモデルを変化させていく局面にあります。

業務の幅が広がると、利用者にとっても便利な面が増えるかもしれません。「地方銀行」の今後の変革に注目していきましょう。