インターネット銀行(ネットバンク)とは。その特徴や歴史。

インターネット銀行(ネットバンク)について解説します。

 

インターネット銀行(ネットバンク)の意味

インターネット銀行(ネットバンク)は、インターネットなどを利用した取引を中心として営業している銀行です。

金融庁の「免許・登録業者一覧」の業態としては「その他」に分類され、「新たな形態の銀行」として扱われています。

「インターネット銀行(ネットバンク)」という言葉に対して、金融庁や銀行協会による明確な定義はありません。

インターネット銀行(ネットバンク)の特徴

「インターネット銀行(ネットバンク)」は、店舗を持たないか、最低限の店舗のみを持ち、主にインターネットや、電話などを介した取引を行っています。

「インターネット銀行(ネットバンク)」の種類として、「インターネット専業銀行」と「コンビニ等の店舗網にATMを設置し主に決済サービスの提供を行う銀行」とがあります。

「インターネット専業銀行」では、自前のATMを持たないか、ごく少数の設置で、提携他行やコンビニATMによる入出金を前提としている銀行が大半を占めています。

「コンビニ等の店舗網にATMを設置し主に決済サービスの提供を行う銀行」は、コンビニやスーパーを営業する小売業主導の銀行です。系列の店舗にATMが設置されています。

インターネット銀行(ネットバンク)の例

「インターネット銀行(ネットバンク)」のうち、「インターネット専業銀行」と言われる銀行としては以下の銀行が挙げられます。

ジャパンネット銀行、ソニー銀行、楽天銀行、住信SBIネット銀行、じぶん銀行、大和ネクスト銀行、GMOあおぞらネット銀行

「コンビニ等の店舗網にATMを設置し主に決済サービスの提供を行う銀行」としては下記の銀行があります。

セブン銀行、イオン銀行、ローソン銀行 

インターネット銀行(ネットバンク)の略称・別名
「インターネット銀行(ネットバンク)」は、略して「ネット銀行」と呼ばれることがあります。

また、「オンラインバンキング」「ネットバンキング」「インターネットバンキング」「インターネット専業銀行」などと呼ばれることがあります。

インターネット銀行(ネットバンク)の歴史

日本で初めて「インターネット銀行(ネットバンク)」として設立された銀行は、ジャパンネット銀行です。

インターネットの利用人口が増え続けていた1997年(平成9年)、さくら銀行、富士通の合意から始まり、住友銀行、日本生命保険、東京電力、三井物産、NTT東日本、NTTドコモなどの出資により2000年(平成12年)にジャパンネット銀行が設立されました。

続いて2001年(平成13年)には、楽天銀行の前身であるイーバンクや、ソニー銀行が誕生します。以降、さまざまな背景をもつ「インターネット銀行(ネットバンク)」が設立されてきました。

利用者目線でのインターネット銀行(ネットバンク)

「インターネット銀行(ネットバンク)」は、人件費や店舗の運営費を抑えている分、預金の金利が高いことが多く、手数料が安いことが多くなっています。また、預金通帳の発行はなく、web上での確認となる銀行がほとんどです。

実店舗型銀行のように、曜日や営業時間を気にすることなく使うことができます。元々、店舗やATMを持たない銀行が多いため、コンビニATMや他行ATMの利用について「条件を満たせば一定回数無料」、などの銀行が多くなっています。勤務時間が長い人、平日に銀行やATMに出向けない人にとっては、使い勝手がよいでしょう。また、提携ATMがあれば、居住地に関わらず、利用することができます。

一方で、実店舗がほとんどないため、対面でのサポートを期待する人にとっては、使い辛いという面があります。IDやパスワードを忘れると、利用できなくなり、駆け込める店舗もありません。機器の操作や、情報管理、困った時の検索、といったスキルが必須です。ITに強い方や、スマホに慣れている世代と相性が良い金融機関です。

住宅ローンなど、個人の借り入れについて、金利は「低い」ものの審査は「厳しい」傾向があります。対面で、様々な角度から信用性を総合的に判断する金融機関に比べ、データのみから、容赦なく審査されると言われています。

「インターネット銀行(ネットバンク)」で事業用融資を取り扱う銀行は、あまり多くありません。ネットショップ出店専用のローンなど、特色あるビジネスローンを用意している銀行があり、事業内容に合えば、利用できる場合もあります。

まとめ

「インターネット銀行(ネットバンク)」は、従来型の銀行と異なり、各銀行の特徴の差が大きくなっています。収益源や狙い、提携先など、それぞれに方向性が異なります。

自身の利用実態にぴったり合う銀行を見つけられると、手数料や、煩わしさがぐっと抑えられる可能性があります。

手数料無料になる条件を始め、ログインや振込の操作性、無料の提携ATMが近くにあるか、フリーアドレスが設定に使えるか、自分名義他行宛振込の優遇、集めているポイントが貯まるか、など1つ1つは些細な点でも、多くが満たされると、快適度が高まります。

それぞれの個性が強いので、合う銀行が人によって変わってきます。いくつか使い比べてメインを決めるのも良いでしょう。

現在、電子マネー、モバイル決済事業など、金融形態が急速に変化しています。「インターネット銀行(ネットバンク)」も、今後、さらに生活に欠かせない存在になっていきそうです。情報を仕入れながら、便利に取り入れましょう。